アルマイト処理の特徴を解説！ バンテックでは表面処理までワンストップで対応します
バンテックでは金属の切削加工をメインに、後処理としてアルマイト加工も請け負います。図面の状態から完成品まで一貫して製作を手掛けることで、高品質のアルマイト製品を提供しています。
この記事では、アルマイト処理とは何か、他の表面処理技術との比較、アルマイト処理のメリットや注意点を解説します。
アルマイト処理とは
アルマイト処理は、アルミニウムの表面を人工的に酸化させて酸化薄膜を作る表面処理方法です。
アルミニウムは酸化しやすく、空気に触れていると自然と酸化被膜が生成されますが、そのままでは膜厚が薄いため環境によっては腐食してしまいます。そこで、アルミニウムの表面をしっかりと保護できるよう、アルマイト処理を施すことで耐食性等が向上します。
アルマイト処理の目的
アルマイト処理の主な目的として、アルミニウム製品の耐食性・耐摩耗性の向上や着色による装飾が挙げられます。これらにより、製品の寿命が延びるだけでなく、美しい外観を長く保つことができるようになります。
建材、光学部品、電車や航空機の内装品、自動車部品、光学部品、半導体部品、照明機器、医療機器など、幅広くアルマイト処理の技術が使われています。
アルマイト処理と他の表面処理との比較
アルマイト処理以外の表面処理方法およびアルマイト処理との違いを示します。機能や目的、材質、コストに応じて適切な処理方法を選択することが必要です。
めっき
めっきは、金属や非金属の表面にニッケルやクロムといった金属の被膜をつける表面処理です。素材の上に被膜を生成するため、膜厚の分だけ厚みができます。
アルマイト処理との違い：アルマイト処理は、製品のアルミニウム自体を溶解させながら酸化被膜を生成させていく点が異なります。
塗装
塗装は、金属の表面に塗料を塗布する表面処理です。美観や防錆、防食の向上などを目的に用いられます。色やデザインの自由度が高い一方で、塗装が剥がれると腐食が進行しやすくなります。
アルマイト処理との違い：アルマイト処理では表面自体を強化するため剥がれが起きにくく、長期間にわたって耐久性を維持できます。
溶射
溶射は、高温で溶かした材料を金属表面に吹き付けて被膜を生成する表面処理です。高温への耐性があるためエンジン部品などの部材に適しています。また、現場での施工が可能で、橋梁や鉄塔をはじめとする大きな建築物の表面処理にも使用されます。
アルマイト処理との違い：アルマイト処理では耐食性などの機能的な面に加えて、見た目やデザイン性も向上させることができます。また、溶射と比較して低コストで加工できるという利点もあります。
アルマイト処理のメリット
アルマイト処理には、多くのメリットがあります。以下に主なものを挙げます。
硬度・耐摩耗性の向上
アルミニウムの表面はアルマイト処理により非常に硬くなり、耐摩耗性が向上します。アルミニウムの硬さは45-100HV（ビッカース硬度）程度ですが、アルマイトを施した場合は400以上HVの硬さを出すことができます。
表面の変色・腐食を防止
アルマイト処理はアルミニウム表面に保護膜を形成し、変色や腐食を防ぎます。自然に生成される被膜よりも厚いため、美しい外観を長期間維持できます。
電気を通さない（絶縁）
アルミニウムは電気を通しますが、アルマイト処理された表面は絶縁体となり、電気を通しません。絶縁性の高い部材が欲しい場合に、アルマイト処理が活用されます。
熱伝導率が低くなる
アルミニウムは銀、銅、金に次いで熱伝導率が高い材質です。アルマイト処理を施すことで、アルミニウムの熱伝導率を低下させる効果があります。これにより、熱の影響を受けやすい部品の保護に役立ちます。
アルマイト処理の注意点
アルマイト処理にはメリットだけでなく、注意すべき点もあります。
耐熱性が低い
アルマイト処理された表面は、アルマイト処理を施さないアルミニウムに比べて耐熱性で劣ります。100℃以上の環境下ではクラック（割れ）の可能性があります。そのため、耐熱性を必要とする用途には不向きとなります。
被膜が脆い
アルマイト処理の被膜は非常に硬い反面、脆くなります。アルマイト処理を行った部材に対して加工を施すと、被膜が割れたり剥がれたりします。
膜厚管理が難しい
アルマイト処理は電気化学的な反応であるたで、電流分布の不均一で皮膜の厚さが異なります。
また、めっきの場合は表面に被膜ができるので、被膜分の厚みを足し算するだけで加工の仕上がり寸法を検討できますが、アルマイトの場合はアルミ表面に生成される成長被膜と、アルミ素地に生成される浸透被膜それぞれで被膜が形成されるため、加工狙い寸法を考慮してアルマイト処理を行う必要があります。
バンテックのアルマイト処理の強み
バンテックではお客様から図面で示された要求をもとに、切削加工だけでなく協力会社によるアルマイト処理も行っています。図面から完成部材まで要求通りに仕上げられるため、お客様から高い評価をいただいております。
協力会社と連携し高品質のアルマイト製品を提供
バンテックはアルマイト処理に関し深い見識を持っており、アルマイト処理を行う協力会社に要求事項を的確に伝えることが可能です。協力会社とは長年の豊富な取引実績を積み重ねてきたことで、強い信頼関係も築いています。
以上により、お客様のニーズに応じた高品質な製品を実現しています。
切削加工と合わせた一貫生産体制の構築
バンテックでは、切削加工とアルマイト処理を一貫して行う体制を構築しています。膜厚管理の難しさを踏まえて切削加工の工程で穴径を調整するなど、切削加工会社とも協力して最適なアルマイト処理を行っています。また、すべての工程をバンテックがコントロールすることで生産リードタイムの短縮も実現しています。
以上により、製品の品質管理が徹底されており、短納期での納品が可能です。
その他の加工事例についてはこちら「実績紹介」をご覧ください。
まとめ
アルマイト処理は、アルミニウム製品の耐久性や耐食性を向上させるための優れた表面処理方法です。表面処理技術として多くの利点があり、家庭用製品から工業用製品までさまざまな用途で利用されています。バンテックでは、お客様のニーズに応じた高品質な切削加工、アルマイト処理をワンストップで提供致します。ぜひバンテックにご相談ください。
